
住宅の可能性
~ A conscious choice
シンプル・ミニマルの中の豊かさ
郊外の住宅地に計画された木造2階建住宅です。空間構成はシンプルかつミニマルに・・・玄関・LDK・水回り・寝室・書斎といった諸室を通路・ホール・吹抜で連携した矩形を有機的に連ねたものとなっています。家族全員が仕事を有しているため、自宅で過ごす際には、くつろぎを大切に・・・「ゆったり」かつ「ムダのない合理的な動き」ができるよう設計を進めました。帰宅時に得られる「住まいのよさ=快適なイメージ」を大切にすることも添えつつ・・・精緻な空間の中に豊かな空気が流れています。
耐久性のある外皮(屋根・壁)
屋根と外壁はホワイト。素材はSGL 鋼板を採用しています。SGL鋼板は次世代のガルバリウム鋼板・・・ガルバリウム鋼板のめっき組成にマグネシウム(Mg)を加えることで耐食性を向上させた製品です。耐久性のある外皮に包まれたシンプルな形態とバランスよく配置された開口部が、期待と安心を寄せるアプローチを構成しています。屋根・外壁ともに「たてはぜ葺き」・・・333mmピッチのスマートなストライプが陽光に照らされる時、その清新さが強調されます。
空間の連携~動線
玄関には、ほどよい広さのシューズクロークがあります。ここに2つの動線が用意されています。ひとつはリビングルームに向かうメインルート。もうひとつは洗面・バスルームに直行するもの・・・帰宅時、ランドリー・シャワー・グルーミングといった一連の流れが可能な部屋の配置となっています。休日のアウトドア・イベントを楽しんだ後、身体をキレイに整えることにも有用な動線です。ここに加えてキッチンとの家事動線連携も確保されており、回遊性のある間取りとなっています。
吹抜の効用~心地よさ
吹抜空間は、のびやかに広がるグレーの大判タイル壁とスチール階段を中心に構成されています。大容量の空気はシーリングファンを使って循環し、建物全体の環境を整えています。折にふれ、われわれ設計者は、吹抜の提案をおこないますが、ふと考えるに、それはマンションライフでは得にくいもの・・・高い天井とガーデンの連携・・・垂直と水平の「自由」を獲得は戸建注文住宅のメリットであることをあらためて感じる住宅です。