
アトリエとともに
~ Maison avec atelier
創る・作る
アトリエと住宅を併設した建築です。日中は近くのデザイン事務所で仕事をしながら、休日はジュエリー製作をおこなうクリエイティヴなライフスタイルを展開するクライアント(お客様)・・・その作風はシンプルかつシャープなものが多く、作品のカラーイメージはシルバーがメインとなっています。今回の建物も作風にシンクロするようにホワイトウォール、コンクリートグレー、アルミシルバー、スモーキーウッドによる構成を「決めごと」としたことで、全体計画はスムーズに進んでゆきました。
職住一致というライフスタイル
テレワークという働き方が一般的となった昨今、「自宅で仕事をする」ことが憧れのようになってきました。御主人から「本当に小さくてよいから書斎がほしいです」という声をよく聞くようにもなっています。ちなみに近代以前、このような「職住一致」のスタイルは、自営業の方々にとっては一般的なもので、他の人々も「職住近接」という生き方をしてきました。現在のような、多くの人々がオフィスに働くため通勤する「職住分離」のワークスタイルは、ここ100年ほどの話・・・都市開発・交通網整備などと共に歩んだ近代の風景です。
創作スペース
「居住者=デザイナー」ということで、エントランスは1箇所・・・一歩室内に入ると、そこが「アトリエ兼展示空間」となっています。ゲストとの楽しい会話・プレゼンテーション・商談・展示イベント開催すべてを、この場で展開します。モルタルのフロアはアトリエのクールさを強調する「よいマテリアル」として・・・2階の居住スペースに誘うのは白いスチール製オープン階段・・・ここをとおして階上から降り注ぐ陽光によって「開かれたライフスタイル」を垣間見ることができます。
居住スペース
2階からロフトにかけて居住スペースが広がります。適度な広さゆえのワンスペース仕様・・・リビング・ダイニング・キッチン・ベッドルームがシームレスに連携します。ささやかなキッチン・洗面・バスルームではありますが、それが「仕事をしながら暮らす」・・・その一連のサーキュレーションを平均して求められたスペース配分の「最適解」であるようにも見受けられます。創るコト・作ることを大切にしたライフスタイル・・・そこに「生きがい」を見出す好例の作品となりました。