日本では古くから家を建てる儀式として、地鎮祭・上棟式というしきたりがあります
古くから伝わる祭事ゆえ、なぜこのような儀式を行うのか疑問を抱く人も多いのではないでしょうか
今回は建物を建てる際のこの二つの儀式についてご紹介します。
■地鎮祭: 「土地」を清め、家の繁栄を願う儀式
地鎮祭とはその土地で起きた「けがれ」を清め、事故なく安全に作業が進むように祈願する儀式です。
産土の神というその土地の神様、つまり地霊に対して地面に手を加えることへの許しを乞う儀式であり、建物を建てる前に土地を使う許可と工事の安全を願うという意味があります。
4本の細い竹としめ縄で領域を作り、酒、米、魚などのお供物を献上した祭壇を設け、神主が祝詞をあげることで儀式が完了します。
■上棟式:立ち上がった「建物」の安全を祈願する儀式
上棟式は「建物」の骨格、屋根を支える棟木を取り付ける際に行われます。施主が職人さんをもてなし、建築が完成間近まで進んだことを地霊に伝え、感謝するための儀式です。
地域によって様々なやり方が存在しますが、一般的には建物の中央に小さな祭壇を用意し、お酒、野菜のほか、洗い米や塩を盛った皿をお供えをします。
棟木に魔よけの飾りをつけ、工事が無事に終わるように祈願します。
こうした式典は必ず行わなければならないものではなく、最近では省略する人もいます。
しかしこれら式典でもう一つ大切なことは、設計者や施主、施工業者、大工さんとコミュニケーションを図るということです。
建築界でも技術が向上していくにつれ、一つの建築に携わる人との関係性は、どこか希薄になっているのかもしれません。
式典の場は家作りに関わる方々の労をねぎらい、感謝を伝えられる数少ない貴重な場であり、そこでのコミュニケーションは、より良い住まいを築くことにもつながります。
良い建築は様々な人との関わり合いから生まれることもあります。
以上 静岡市を中心に注文住宅を手がける一級建築士事務所 久保田建設がお伝えしました
最後までお読みいただきありがとうございました。
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