言葉も少なくなる暑さ・・・どうぞ お体ご自愛ください。
もう梅雨も明けるのでしょう。
7月末・・・お引渡しと地鎮祭が重なります。
季節の移り変わりとともに建築デザインも進みます。
地球環境と一緒に動いている感じ・・・嬉しいです(笑)。
この時期 陽ざしは「よけるもの」と考えがちです。
これが秋・冬・春は「受けるもの」となり、上方からの恩恵となります。
建築において、陽光の様を実感する場所・・・それが階段です。
一歩上るごとに空に近づくわけですから、住宅では明るさを期待する空間構成にしたいですよね(ショップ・施設では意図的な『仕掛け』をほどこすこともあります)。
光を採り入れる階段を生み出すために私が最も大切にしているのが「軽やかさ」です。
この Cool Modern Box は木造2階建の住宅です。1階フロアは全てコンクリート仕上げですが、れっきとした木造住宅です。
こちらの White Box は鉄筋コンクリート造 地下1階、地上2階建の住宅です。
主体構造が異なる2つの住宅ですが、その「軽やかさ」は共通です。
それは階段が鉄骨によって支持されているからです。
オール木製とするよりも細い部材で構造担保できるため光と風が通ります。
Cool Modern Box は らせん状スチールプレートを丸鋼で順次つないでいますが、木製踏板よりもワンサイズ小さくしているため、その存在が気になりません。
一方の White Box は 直線折り返し階段です。こちらは2本のH鋼に木製踏板を渡したつくりになっています。つり橋にも似た構造です。
つまり、主体構造と階段の構造は それぞれ考えるということでデザインを展開しているわけです。
こちらも木造2階建住宅に作られた鉄骨階段です。
踏板はメープルの無垢板を使用しました。
この住宅は「傾斜30度」という実験的デザインとしています。
一般的な住宅では 40度前後の角度で昇降するように設計しますが、こちらは 階段の愉しみと住まい手のゆとり・エイジングを考慮しての ゆったり感を演出しました。
こちらも木造2階建における鉄骨階段。踏板は同じく木製です。
階段本体の軽やかさに加えて、手すりに工夫を加えています。
ミニマリスティックな空間をつくるために そぎ落とすデザイン を展開した好例です。
階段は設計者の特徴があらわれる場所です。
すこしこだわった階段を作ったとしても、建物規模を大きくする、内外の仕上げを変更するという望みよりも工事費のアップは少ないと思います。
この軽やかさ・・・よいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
(久保田 正一)
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